中小企業庁が2026年10月21日の会議で示した資料(中小企業白書2026年版の調査からの抜粋)では、AI の活用にまだ取り組んでいない中小企業は69.7%でした。取り組んでいない理由で最も多かったのは「業務がイメージできない」(63.4%)です(取り組み状況 n=5,645、理由 n=3,888、複数回答)。
「AI を使いたいが、何を任せればよいか分からない」。この状態で外の人に頼むと、話が広がったまま進まないことがあります。頼む前に社内で次の5つを決めておくと、最初の一歩が早くなります。
1. 任せたい業務を「1つ」に絞る
最初は1つで十分です。選ぶときは、次の3つが重なる業務がおすすめです。
- 毎週・毎月、同じ形でくり返している
- 担当者が「時間がかかる」と感じている
- 間違えても、すぐに直せる(お客様に直接届く前に人が見られる)
たとえば、問い合わせメールの返信の下書き、会議の記録、商品ページの文章、月末の集計などです。
2. 今どれだけ時間がかかっているかを測っておく
「AI を入れて良くなったか」は、前の時間が分からないと判断できません。担当者に、その業務に1回あたり・1か月あたりどれくらいかかっているかを、ざっくりでよいので書いてもらいます。
3. 社外に出してよい情報の線を引く
AI に読ませる情報と、外の人に見せる情報の範囲を決めます。
| 区分 | 例 | 扱い |
|---|---|---|
| 出してよい | 公開済みの商品情報、社内の手順書 | そのまま使ってよい |
| 加工すれば出してよい | 問い合わせの文面 | 氏名・連絡先を消してから |
| 出さない | 顧客名簿、契約書、パスワード | AI にも外の人にも渡さない |
この線が決まっていないと、外の人は安全側に倒して手を出せず、進みが遅くなります。
4. 社内の窓口を1人決める
外の人が業務を回すとき、質問や確認の相手が決まっていないと止まります。決めること・確認することを受ける窓口を、1人決めておきます。
5. 「うまくいった」の基準を先に決める
最初の1か月で何ができれば続けるかを、先に決めておきます。
- 例:問い合わせの返信の下書きが、担当者が直すだけで送れる状態になる
- 例:月末の集計にかかる時間が、半分になる
基準があれば、続けるか、やり方を変えるか、やめるかを迷わずに決められます。
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出典:中小企業庁「中小企業におけるAX推進の方向性」(2026年10月21日、資料4。図は「2026年版 中小企業白書・小規模企業白書の概要」より)。資料のPDF
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